はじめに

こんにちは!

きものかく勇です。

青葉若葉の時季となりました。

皆様いかがお過ごしでしょうか?

本日のブログでは、古くから日本の文化として受け継がれてきた、「かさねの色目」というテクニックをご紹介いたします。

「かさねの色目」とは?

皆さんは「かさねの色目」という言葉をご存知ですか?

平たく言うと、平安時代に広まったとされる、着物の配色マニュアルを指す言葉です。

自然界の色の移り変わりを表現した配色であり、その種類は百個を超えると言われています。

当時の宮廷貴族の間では、かさねの色目に則って着物を着こなすことは教養であるとされていました。

そんな「かさねの色目」ですが、実は3種類の意味があります。

一つは、着物の表裏のかさね色目(重色目)

そして、重ね着のかさね色目(襲色目)

最後に、織物の経糸・緯糸のかさね色目(織り色目)があります。

平安時代の貴族たちは、これら三つの「かさね色目」を組み合わせて、着物を着こなしていました。

いわば平安時代のおしゃれの法則だったのです。

1.重色目

次に、先にご紹介したかさね色目を一つ一つ見ていきましょう。

まずは着物の表地・裏地の組み合わせを利用した「重色目」です。

平安当時の絹の着物は現在より薄手であったため、裏地が透けて見えるのを利用して色彩を楽しんでいました。

季節によって配色パターンが異なり、それぞれの時季の自然を想起させるものが多いです。

例えば、白色の着物の裏地に蘇芳(すおう)色という黒みを帯びた赤色の裏地を合わせた「梅」という名の配色があります。

他にも、紫色の表地と淡紫の裏地で「菫」というパターンや、檜皮(ひわだ)色の表地と青色の裏地で「蝉の羽」というものもあります。

2.襲色目

襲色目とは、平安末期に成立したとされる配色の法則です。

当時の貴族は着物を幾重にも重ね着して着用していましたが、五衣と単衣の組み合わせで自然界の色味を表現していました。

襲色目には以下のような配色の技法があります。

・匂い(におい)・・・同系色でグラデーションを作る技法

・薄様(うすよう)・・・徐々に淡色になるようグラデーションを作り、最後は白になる技法

・村濃(むらご)・・・ところどころに濃淡をつける技法

たとえば、「紅梅の匂」という配色では、表地により淡い紅梅→淡紅梅→紅梅→紅梅→濃紅梅→青と重ね、裏地により淡い蘇芳→淡蘇芳→蘇芳→蘇芳→濃蘇芳と重ねます。

「紫村濃」では、表に紫→淡紫→より淡い紫→濃青→淡青→紅、裏に紫→淡紫→より淡い紫→濃青→淡青と重ね、トーンの濃淡を絶妙に配置します。

3.織り色目

最後に織り色目をご紹介します。

織り色目とは、着物の経糸と緯糸の組み合わせで布地に複雑な色合いを表現するものです。

糸の配色をこだわることで、光の当たり具合によって様々な色の変化を楽しんでいたようです。

こちらも「花橘」や「玉虫色」、「藤」など、自然界の美しい色調を表現していました。

いかがでしたか?

平安時代から伝わる「かさねの色目」は、お着物を美しく、そして楽しく着こなすための高度なテクニックの一つです。

現在は実際にお着物を幾重にも重ね着することは少ないですが、「襲色目」の技法などは、お振袖のコーディネートにも活用することができます。

どれも緻密に計算された調和の取れた配色パターンなので、お振袖の重ね衿や半衿、帯、帯揚げなどの色味を決める際に参考にしてみてはいかがでしょうか?

最後に

風邪が流行っております。お身体には気をつけてお過ごしください。

◇ ◇ ◇

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投稿者 verdeoliva

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